【ロケットの街】北海道大樹町の「旭浜のトーチカ群」の内部に潜入する!【戦争遺跡】(1)

全国裏探訪取材班は、定期更新を続けていたのだが、直近とても多忙で記事を更新できたいなかった。大変申し訳ない。ただ今回、取材班は久々の北海道ということでテンションが上がっていたんですけど、出張先の十勝地区行く事があったので、少し足を伸ばして北海道大樹町はとやってきた。

「大樹町の様子」

さてここ大樹町は北海道十勝総合振興局の南部太平洋側に位置し、人口5,400人の小さな町だ。スペックはざっとこんな感じ。

「大樹町の場所(赤枠)」

で、今回はタイトルにあるように戦争遺跡の紹介だ。時は1941年(昭和16年)12月に日米が開戦。戦争の序盤は遥か南太平洋で戦っていた両軍だが、次第に日本軍が劣勢になり1944年(昭和19年)7月についにマリアナ諸島が米軍の手に落ち、本土の空襲が始まることになった。

「旭浜のトーチカ群案内板」

北海道の第七師団は、次第に劣勢な状況になるのを見越し1944年(昭和19年)5月に「沿岸築城整備要綱」に基づきここにトーチカを築城することになった。

「旭浜トーチカ入口」〈42°26’15.1″N 143°23’44.3″E〉

先ずは内陸のトーチカから見ていくとしようか。このトーチカには上記の案内板があり一応内部に入らないように柵があったり物件が保全されているようだ。

柵の間から内部を覗いてみるとこんな感じ。当然だが、敵は海岸から来るので、海岸とは逆の方向に入り口がある。

爆風をもろに食らわないためなのか、トーチカは8角形になっているようだ。年代の割にはきれいに保全されているようにも思える

「銃眼」

さて、出入口とは逆側の銃眼を見ていこう。銃眼とは呼んで字のごとく、銃の眼。である。この中から機関銃や砲が据え付けられ進入する敵を待ち構える。

 

「銃眼(拡大)」

銃眼を少し拡大してみてみようか。当然、銃や砲が左右に稼働するための機構を確保するため、銃眼は扇状に広がっているのだが、単なる扇形のラッパ型では無く、段々な扇形に広がっているようだ。これは、ラッパ型だと至近で炸裂した爆風がラッパ型の形状により圧力が高くなり内部にダメージが伝わってしまう。

「銃眼から見た内部」

また、銃眼めがけて敵の銃弾が飛び込んできた場合、単なる扇形のラッパ型だと、弾が銃眼内で跳ね返りながら中へと侵入し、内部の日本兵が傷ついてしまう場合がある。

そのため、段々な扇形の場合は万が一敵の銃弾が飛び込んできても、一番小さい(一番奥の)銃眼に直接飛び込まない限り銃弾を跳ね返すことができる。なるほど。よく考えられてるな。

さて次回もこの北海道大樹町のトーチカ群を見ていくとしよう。

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(2022)