【幻の】熱海駅前「熱海第一ビル」改め「第一ビル商店街ATAMIX」を見に行く。【熱海モノレール】(5)

全国裏探訪取材班は、幻の未成線「熱海モノレール」の唯一の遺構のある「熱海第一ビル」に来ている。ついに最終レポになった本回は熱海モノレールの成り立ちから解説していこうか。まずこちらをご覧いただこう。

熱海モノレールというのは戦後高度経済成長期、熱海は首都圏からの格好の観光地として繁栄。1964年(昭和39年)の東海道新幹線開業での観光客増加を見越し、1962年(昭和37年)東邦観光開発が熱海駅-ロープウェイ前間を地方鉄道法に則り跨座式鉄道(モノレール)の敷設免許を申請したのが始まり。その後同じ年に日本高架電鉄(現東京モノレール)・日立製作所などの合同出資会社である熱海モノレールも申請。後者が許可された。

当時のパンフレット。

「モノレール運行区間は 熱海駅から海面に出て、和田浜海岸のロープウェイ前までです。図のように国際的泉都の大玄関熱海駅前を地下で出たモノレールは 国立病院をトンネルで海上へぬけ、他の交通機関では例を見ない海面上の経路をとり、お宮の松、渚町の海岸沿いに、和田浜南町のロープウェイ前にいたる2kmの区間です。」とある。なるほどな。

地下1階の様子。そういえば地下駅の雰囲気がしないわけではないな。

輸送方式に跨座式(こざしき)(モノレール・日立アルヴェーグ式)が選ばれた理由だが、始発駅の熱海駅周辺は、上の図を見てもわかるが標高が65m高く、海岸まで400mほどしかない。これは鋼製車輪鉄道では勾配がきつ過ぎ対応できない。それに輸送距離も2キロメートルほどと短く、鋼製車輪鉄道のように高速走行によるメリットもないためモノレールが選ばれた。

「熱海第一ビル御案内」

現在の熱海モノレールの遺構は熱海第一ビルに地下3階のみという。

案内板の右下の「B3」には「事務所 電気・機械室」としか書かれていないな。

取材班は統一感のない階段の踊り場を、地下3階へと進む。

地下2階に到着。ハイルーフ車は利用出来ないような駐車場だな。

モノレールが入るとされる地下3階の高さを取る為か、地下2階は2mほどしか高さが無い。ただ取材班が下りてきた階段は地下2階までで、その先階段が地下3階へ通じているような跡はなかった。ちなみに色々なものを調べたが、この地下3階へ入ったほかのレポートなどは一切なかった。地下3階部分の所有は他の所有者らしく完全に封鎖されているという。幻だな。

 

再び地下1階へ戻って来た。ここの柱はおそらく地下まで続いていると思われるので、直下の地下3階にホームのイメージができるだろう。写真の奥に向かって出発するようなイメージだろうな。車両は3両編成を予定していたという。

「駅への地下道」駅への“地下道”。“近道”を掛けた洒落か?(笑)

ここでもう一つ、モノレールの遺構と思しき物もある。それは熱海第一ビルとJR熱海駅をつなぐ地下道だ。

将来、モノレールの改札口などが配置される予定だった地下道。

そもそも熱海第一ビルとJR熱海駅は横断する道路など障害物が一切なく、とても近いので地下で繋がなくとも、地上からのアクセスで充分なはずだが、なぜか地下道がある。これは将来熱海モノレールを通す事実上の準備工事だな。ただ残念ながら、工事はここから先のトンネル部の地質が複雑だったり、温泉の源泉を刺激し湯が出なくなった時の補償問題、そして海岸沿いの海上高架橋の建設時波が年中高く難工事が予想されること。極めつけは、事業主の東京モノレールの資金難で着工できないまま頓挫してしまう。一時は現在の東京モノレールとも接続を考えていたようだが、今となっては叶わぬ夢だな。

ここの地下3階の様子などをご存知の方はぜひタレコミ願いたいな。

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(2018)