全国裏探訪取材班は、舳倉島に上陸している。この冬季は2件ある民宿はやっていないため、一日一往復のニューへぐら号にて午前11時前に上陸し午後14時の便にて本土に引き返す必要があるため、島への滞在時間は3時間強。一周5Kmの舳倉島を最大限時間を使い食事も摂らずに回っている。前回は島を時計回りに回り、無他神社遥拝所のある龍神池まで到達。全行程の7割消化した。
取材班は、龍神池北側にある観音堂付近まで到達。ここにも変わった形のケルンがあるな。
「観音堂」
ここも例に漏れず、防風の為周囲には石が盛られている。
ちなみにこの観音堂にはこのような昔話が伝わっている。江戸時代末期の話だ。この観音堂に毎晩島民を集め一旭上人という僧が毎晩説教をしていたという。しかし、いつも同じ末座にて若い女が黙って聞き入っているので、ある日の晩上人が女に尋ねる。すると女が「私はこの池に住む龍なのです。船の錨の毒に当たって死んだのですが、いまだ成仏できません。どうかお助けください。」と涙を流し頼んできた。翌朝、島民が集まり池の水をすべて汲みあげたところ、池の底から母子の竜骨大小二体が見つかったという。骨は樽4個分にもなったという。島民は父親の龍が近海にいると思い、それを祀って無他神社としたらしい。
観音堂付近から、南西側をみる。写真下から、観音堂付近のケルン、龍神池、無他神社遥拝所、金比羅神社、八坂神社、奥には日本海が見えるな。
取材班は観音堂から外周道路をつたい、いよいよ舳倉島北端を目指す。全く何もない。
「無線方位信号所」
島には周囲の船舶に位置情報を提供する電波送信所もある。灯台とセットだな。
舳倉島北端が近づいてきた。
やはり、舳倉島には山など風を防ぐものが全くない為、ここの神社も防風の石積みがあるな。しかもこちらも特徴的なケルン。
「恵比須神社」
この恵比寿神社は、舳倉島北端に位置。漁業繁盛の神としてこの地に鎮座している。祭主はもちろん恵比寿大神。
神社に奉納された賽銭は潮風でこのように。金属には厳しい環境だな。そういここ恵比寿神社含み島の社は結構本殿が新しいな。しっかりメンテされてる。
恵比寿神社本殿は海の方を向いている。色んな意味で海の向こうに睨みを利かせてほしいもんだな。恵比寿神社GJ!
舳倉島は歴史や特色ある信仰の他に、日本国として重要な役割も担っている。それは舳倉島とその周辺の低潮線保全区域だ。ま、ざっくりいうと島本体や島の周りの小島を大切に守って、排他的経済水域を守りましょう。ってこと。写真の方向の「小瀬」という岩礁がその排他的経済水域の境界らしい。現在も北陸地方整備局が定期的に見張っているようだ。
と、意外と重要な舳倉島だ。取材班は島北端まで来たので、舳倉島レポも終盤もう少しのお付き合いをお願いしたいところだ。
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(2016)