全国裏探訪取材班は、第二の軍艦島「池島」を巡って来た。今回は島北部の部落「郷地区」をじっくり見て行きたい。この郷地区は池島炭鉱が本格的に開発される以前から島民が住んでいたエリアだという。
「郷地区空撮映像」
映像でご覧になっていただければ、地形や現在の雰囲気が一発でつかんでいただけると思う。
「郷地区」空撮写真。
郷地区は山にへばり付いた、扇状地のようになっている。今は徐々に高台へ向かって集落が続いているが、かつては急な崖だったという。炭鉱の初期掘削による掘削物で崖がなくなり、緩やかな土地となったという。
一部の家屋は完全に自然に飲み込まれつつある。取材班は早速下からメインストリートを登っていくことにした。ちなみに郷地区の“郷”とは昔で言う“村”という意味と同義なわけだ。長崎県にはこの“郷”という言葉を地名にするところが多く、現に長崎市に合併されるまでは、長崎県西彼杵郡外海町神浦池島郷、だった。
郷地区の北側入り口には「池島小番所跡」の案内板がある。江戸時代には外国船や密貿易を監視するため番所が設けられていた。
炭鉱開発以前は300人ほどの漁師が暮らしていたのだが、炭鉱が本格的に開発されると水質汚染が始まり漁師は姿を消した。
「立小便を禁・・」この地点は一番海に近いエリアだが、この郷地区は山を登れば上るほど、スナック、パチンコ屋など歓楽エリアになってくる。立小便もしたくなるわけだな。
既にズタボロの様相を呈している郷地区だが、まだ数箇所世帯があるようだ。
いや~見事にズタボロの廃屋が点在。閉山から十数年でここまでなるんだから本当に自然の力というのは侮れないな。
もう完全に自然に呑まれてしまっている。もう10年もすれば朽ち果て完全になかったことになるのだろうか。
郷地区に存在する「郵便ポスト」。平日と土曜のそれぞれ1回収のみ。なぜか民営化後のJPシールがない。
防火水槽もガラクタと化していると思いきや、隣に新しい防火水槽がありました。
電柱も新旧旧の三世代。池島のインフラの一片を担ってきたのか。妙な哀愁がある。
メンテナンスをし残っている世帯もある。
ここは蔦?に絡まれ現在進行形で飲み込まれている。
上に行けば上に行くほど、ズタボロ感というよりも、人工物が自然に吸収されて行っている。ここでは人間の力がなくなり自然の逆襲が始まっているようだ。
次回は、郷地区の上流の「スナック街」を詳細に見て行こう。
#長崎市 #歴史 #レトロ #特殊建築 #飲食街 #廃墟 #商店街 #路地裏 #マニアック #離島 #スナック
(2018)