【サリン事件】「オウム真理教」「サティアン」跡地を調査する【本拠地】(2)

全国裏探訪取材班は、山梨県の南都留郡富士河口湖町とやって来た。かつてここには非常に狡猾な宗教団体オウム真理教の出家信者用の宗教施設サティアンがあった場所へと訪れた。15年以上前日本を震撼させたあの事件の跡地は現在一体どうなっているのか、その実体に迫った。

これは当時実際にサティアンでの麻原を中心とした集会の様子である。最盛期には全世界で50,000人以上いたという。今となっては危険・胡散臭いといった印象を受ける読者も多いであろうが、なぜエリート層と呼ばれる人達も含めてこれだけの信者を集めることができたのか。

この写真は1986年の週刊誌「プレイボーイ」に掲載されたお馴染みの「空中浮遊」の写真である。結論から言ってしまうと写真、書籍、雑誌、音楽、アニメ、テレビ、ラジオなどのメディアを利用し先進的な宣伝を行ったのである。

当時は深夜番組に積極的に出ていたり、麻原彰晃の歌が存在していたり、機関紙だけでなく、積極的な布教活動を行っていた。そこに世間を当時賑わっていた考え方に「ノストラダムスの大予言」「ユリ・ゲラーの超能力」がマスメディアを中心によく流れていた。こういった情報は当時若者に将来の不安を煽る思想になっていたこと、またバブル崩壊後の失われた時代に突入していたこともあった。そして「ダライ・ラマ」と接見した際にも一緒に写真を取るなどして積極的にこれもプロパガンダに利用した。

有名な人と会った経歴やいろんなメディアに出演することによって、なかなか会えない貴重な存在になることと権威付けができた。当時としては非常に画期的な手法であり、あの有名な「イスラム国」が今使っているプロパガンダの手法をオウム真理教は30年近く前から使っていた。どっか北の国の将軍様も同じような場面がよくあるが・・・そう国レベルでは共産系の国家が巧みに利用する手法である。

しかもここにかかる人件費は教団の信者で、ほぼ住み込みにやらせているから実質0円に近い。そして極めつけはソ連崩壊後のロシアとのつながりである。ソ連崩壊後のロシアは非常に混乱しており、日本で制作できない番組をあえてロシアの放送設備を借りたりとこういった抜け道的なこと実行し、こうして極めて低コストで革新的な手法を用いて知名度と社会的信用度をあげることに成功した。

また当時は麻原と同じ脳波をヘッドギアを通して流すことで、麻原と同じの脳波をインストールできるとしていたのも革新的であった。表向きは「脳波を活用した瞑想促進・健康機器」といった謳い文句であったが実体は粗悪な作りでお布施という名の資金集めと「洗脳」「マインドコントロール」を行うための粗悪な機械であったらしい。長時間の使用で信者の頭蓋骨まで黒くなるほどの事故が発生していた詐欺商品。

では話が逸れたが本題の場所を見ていこう。現在では前回お伝えした通り、富士ヶ嶺公園となっているが、残念ながらこの場所の知名度の悪さもあり、ほぼ誰も利用者が存在しない。この町のイメージを払拭しようと近くにテーマパークなどを建設したが、数年で倒産。結局オウム後は利用者がいない無人の場所となってしまった。

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(2021)