【今でも】簡単に廻れる「菡萏遊郭(かんたん)」の妓楼に潜入する!【そのまま】(4)

全国裏探訪取材班は、案外簡単に廻れると高を括っていた、大分市「かんたん遊郭」に思いの外どハマりしてしまっている。決して悪口ではなくそれだけ見どころが多いと言う事なんだけどね。さて、続きを見て行こうか。

「生石港町町二丁目 8」

「株式会社 九州開発鉱山」

ここも元は妓楼だったと思われる。それが売防法施行後転業したのだろうか。まあ、九州は鉱山とか多いんでその関連ですかね?

ちなみにこの物件の後ろ側にはこのように庭もありますよ。全く手入れされてないのは惜しいとこだが。残念。

その隣もこのような妓楼。加飾さえなければ普通の民家に見えなくも無いんですけど、いかせんディテールを見ていくとこれですよ。。

もう正直、これが目に入らぬか。と言ったデンとした玄関が出迎えてくれる。ターコイズブルーというのかミルキーブルーと言うのか。サッシが現代的なのは致し方ないか。

はら、このRですよ。まるで女性の肉体美のようなグラマラスな造形だな。これはいいな。素晴らしい。

そして、足元はというと多いとこの通り。三種の豆タイルの共演は見事と言わざるを得ないだろう。直線、曲線、市松、幾何学、ランダムネスの素晴らしい掛け合わせだ。

こう言ったいわゆるアートって現代の日常の中にはないよな。現代のモノって何もかもシンプルすぎて面白味がないというか、無機質と言うか。所詮は工業製品なんですよね。まあ、手を掛ければかけるほどコストアップするんで仕方ないのか。

 

ここなんかもそう。完全に妓楼なんですけど、玄関に目をやるとこれですわ。

しっかりと豆タイルの意匠がここがどういう場所なのかを主張してくる。さっきよりはシンプルなんですけど、こっちは和の要素がある。

こんな感じ。先ほどの物件が洋ならばこっちは和でしょ?玄関の左右には竹?をモチーフにしたデザインがあったり切り抜かれた窓は夜になると、さぞ妖艶な光を照らし出したんでしょうね。

しかも、一見タイルとかも少なくて地味に感じる玄関なんですけど、軒先を見てみるとしっかりと銅が使われているのがお分かりいただけるだろうか。ここは今錆びてしまっているが、往時はゴールドカードのように輝いていたに違いない。そう、ステータスの象徴だったんですね。

 

上空からご覧頂こうと。生活感はなくもう家主は居ないのではないか。2階の雨戸が締め切られているので室内は陰鬱な空気が流れていそうだ。

全国遊郭案内の続きを見ていく「大分市は九州東海岸唯一の市で縣廳の所在地、元大友氏の城下で、城址は今縣廳、水産試験場、女學校等になつてゐる。檜物細工が此處の特産物に成つている。(続)」

「港町からは笠結島が見えて景色は殊によい。遊廓には貸座敷が二十二軒あつて、娼妓は百九十人居る。女は全部近縣の者計りである。店は寫眞制で陰店は張つて無い。(続)」

「娼妓は全部居稼ぎ制で送り込みはやらない。遊興は時間制で廻しは取らない。御定りは一泊六圓で、二時間遊び(約一時間半)は二圓である。税は一割、臺の物は別勘定である。(続)」

さて、今日はここまで。

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(2020)