【もはや】黒川紀章の代表作「中銀カプセルタワービル」【文化財か】(1)

全国裏探訪取材班は、東京都中央区銀座に来ている。前々から気になってたんですけどここには「中銀カプセルタワービル」と言う特殊物件があるという。もしかしたら読者もご覧になったことがあるかもしれん。それはコチラの物件。

「中銀カプセルタワービル」

この中銀カプセルタワービルは建築家黒川紀章の代表作だ。黒川紀章と言えば菊竹清訓らと共に、メタボニズムという思想を建築に取り入れたことで有名だ。

この中銀カプセルタワービルが出来たのは1972年(昭和47年)の事だ。その当時は高度経済成長時代で人口は年々増え、東京初め全国の都市模様が年々変化する時代だった。それに合わせ黒川紀章らの建築家は、急速な時代の流れに対応するために、空間が膨張したり、更新出来たりする建築を提唱した。

1960年代には、日本で世界デザイン会議が開催される予定となり黒川紀章らは、都市丸ごとこのメタボニズムの思想に準拠した巨大都市のアイデアを提唱してのだが、結局その構想は実際に実現することは無かった。

実際に都市計画として進行されることは無かった、そのメタボニズムの思想なのだが、黒川紀章氏などは個々に独自で物件を計画し建築、竣工していく。そのメタボニズムの黒川紀章の代表作がこの中銀カプセルタワービルだ。

この物件の特徴はそんなメタボニズムの思想を受け、ここの部屋がカプセル状のユニット構造になっており、それぞれが一個一個完全に独立しており後にユニットを丸ごと交換ができるようになっている。なるほど。これが、空間の膨張と更新。時代の移り変わりによって変化に対応できるメタボニズムの設計思想なのか。

〈Wikipediaより〉

外から見るとドラム式洗濯機のような外見なのだが、ちなみに中の様子はこんな感じだ。面積は10㎡(4m×2.5m)の大きさにベッドユニットバスなど最低限の生活空間がある。

〈Wikipediaより〉

現在は大方50年弱が経過するので、当時のまま利用している居住者はかなり少ない様だが、当時の設備はベッド、ユニットバスの他に電話、ラジオ、オープンリールレコーダ、空調、照明がある。写真でもわかるが完全に未来空間だな。今でもデザインとかが色あせないのが素晴らしい。

 

部屋の様子をよく見るとお分かりいただけるだろうが、この物件の用途がいわゆるSOHOユースとして設計されていた。その為、ユニット内には洗濯機置き場や、調理場は無い。飯は外で食えってことですかね。あ、ちなみに、当初は洗濯物はコンシェルジュサービスがあったのだという。

さて、次回は残るアングルをチェックしていきましょうかね。

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(2020)