【国土防衛の】海上自衛隊こんごう型イージス護衛艦DDG-174「きりしま」の普段立ち入れない内部を裏探訪する。【裏役者】(3)

全国裏探訪取材班は、世界に保有国が6国しかない最新鋭イージス艦の内部に潜入しようと、横須賀地方総監部吉倉桟橋にやってきた。前回は護衛艦DDG-174「きりしま」に乗艦し各種火器を紹介してきた。今回はその他装備も紹介していきましょうかね。

前部甲板から艦橋を見る。非常にたくさんの装備があることがお分かりいただけるだろうが、この艦橋にはイージス艦の一番の重要な設備がある。

「SPY-1レーダー」

左に写る8角形の白い平面状の物があるのがお分かりいただけるだろうか。これはイージス艦に搭載されるイージスシステムの中核となるレーダーだ。

レーダと言えば通常フェリーや漁船に搭載されているようなグルグル回るものを想像するかもしれないが、このレーダーは平面に無数の素子が配置されておりその素子一個一個が送信機・受信機・位相器という役割がありホイヘンスの原理で回転せず電気的にスキャンし対象物の方向を探知する。探知距離は数百キロ先まで探知可能だという。

このレーダーは対象物へのスキャンを高速ですることによって、対象物の速度、方向が割り出せるという。さらには、無数に並べられた素子によって約200もの対象物の探知をできるようになっている。さらにこれらの動作をコンピュータで処理することによって自艦に対して脅威度の高い対象物を自動的に判断、前ページで紹介した火器で対処するというわけだ。

これらの処理は自動で行われ、攻撃の判断は人間が下すというわけだ。当然これらの対象物に弾道ミサイルも含まれている。ちなみに2010年(平成22年)10月にはこの「きりしま」は弾道ミサイルの迎撃実験での対象物破壊に成功した。

こうしてみるときりしまのデッキには様々な機器が取り付けられていることが分かるな。さらに主な装備を見て行こう。

「NOLQ-2」

これは艦橋上部に設置される、電波探知(ESM)と妨害装置(ECM)だ。これらは自艦に飛来するミサイルや、敵艦が自艦に浴びせる射撃完成レーダに対して妨害電波を発射し対艦ミサイルの攻撃を回避したり敵レーダを無力化する装置だ。

「Mk 36 SRBOC」

この打ち上げ花火のようなものはチャフ・IRフレアを発射する装置だ。敵のミサイルは電波や赤外線センサにより誘導され突っ込んでくるため、このチャフロケットシステムを使い敵のミサイルから身を守るという。

 

「FCS-2-21G」

続いてこちらはFCS-2-21G(火器射撃管制レーダー)だ。射撃対象に強力な電波を照射の上探知・捕捉・追尾するそのデータをきりしまに搭載される主砲やESSMなどの火器に送る。

「Mk.99 ミサイル射撃指揮装置」(写真中央パラボラ型アンテナ2基)

このアンテナはミサイルの射撃管制装置だ。艦尾に2基、艦橋に1基に配置されており。イージスシステムに接続されている。対空目標に対しミサイルが発射され目標物まではSPY-1レーダーが追尾、その後ミサイルが目標物に突入する直前のみレーダー波を発射目標物に終末誘導する装置だ。当然その目標は弾道ミサイルの場合もある。

さて今回はきりしまの設備を見てきたがいかがだっただろうか。他にも紹介したいものはいろいろあるのだが、小難しいのでその辺の事はコチラをご覧ください。次回はついに「きりしま」の内部へと入っていきましょうか。

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(2018)