全国裏探訪取材班は、福井県越前市の「尾花遊廓」へとやってきた。この尾花遊郭は見た目そんなに大きくないので2Pぐらいで終わると思ったんですけど、案外見どころが多いので当時の資料なんかも見ながらじっくりと見ていきましょうかね。
「尾花遊郭」
さて前回までは、尾花遊郭の西側を見てきたんで、今回は南側を見ていきましょうかね。特徴的な松のある大通りを南下していく。
尾花遊郭の大通り両脇にはフィリピンの国旗を模したスナックがありますね。こんな北陸の片田舎にも最近は外国人が多いんでしょうかね。マガンダンタンハーリ!
「十八才未満の方 入店お断り」
当然、出入り口には18禁のプレートが。酒類を提供するためなのか・・
で、そのフィリピンスナックの隣は大型家電やオンボロの高級車が放置されていたりもする。廃材置き場か。
なんだオンボロの遊郭だと思って油断しながら大通りを歩いていると、1階にベンツが停まっているごっつい4階建てのビルが。見るからにアグレッシブな実業家の拠点化と思ったんですけど防犯カメラとかそんな類の物はない。
この物件なんかも、赤線臭がしなくもないんですけど、どうなんでしょうか。しらんけど。
大通りの南側まで来ると、松の木や中央の小川が終わり道幅も半分近くになってしまう。これは外側から遊郭内が見えなくするように風紀上の仕組みなのだろうか。
そこから、結界の外側には出ずに路地を東側に入って行くことにする。ここで当時の資料である1930年(昭和5年)発刊の全国遊廓案内の尾花遊郭の記述を見ていこう。
「武生町遊廓 は福井縣南條郡武生町字尾花に在つて、北陸線武生驛で下車すれば西北へ約七丁の地點に在る。武生は昔付中と云つて越前國廰の在つた處である。前田利家の居城も茲に在つたので、歴史的にも一寸關係の淺からぬ處だ。今は打刃物、蚊帳等の産地として聞こえて居る。(続)」
「串焼き」
なるほど。中世まではここはかなり栄えていたところらしい。だって律令国時代は越前国の国庁所在地だったわけですからね。小さいながらも、これだけの遊郭があるのも頷ける。
この物件なんかもかなり素晴らしい3階建ての和洋折衷物件ではだろうか。現在は福井の片田舎だがこれほど妖艶な遊郭跡があるとは。これを見に来るだけでもこの尾花遊郭を探訪する価値があるだろう。
「ダイモン」
「(続)で右様の次第なので宿場女郎としての存在も随分古来からあつたものらしいが、別段取立てゝ云ふ程の記録も残つては居ないらしい。(続)」
「居酒屋 岩倉」「スナック 殿」
それにしても、大通りの一本左に行くとこの路地ですよ。いやぁ激渋だなかこの盛り場。このスナックの看板の向こうに3階建ての和洋折衷物件。こんな風景が見えるのも今だけなんでしょうか。
「尾花遊郭」いかがだろうか。次回まだ遊廓の北側は見れていないので、そこんところ見ていきましょうか。
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(2021)