【今でも】簡単に廻れる「菡萏遊郭(かんたん)」の妓楼に潜入する!【そのまま】(3)

全国裏探訪取材班は、大分市の「かんたん遊郭」を裏探訪している。この遊郭は、田の字型の遊郭をしており文字通り“かんたん”に探訪が終わるかと思ったのだが意外と見どころが多く、そう“簡単”にはコンプリートできない。

「菡萏遊郭(かんたん)」

さて、前回までは田の字の外周部分を見てきたので、今回はお待ちかねのメインストリートに足を踏み入れていきましょうかね。

と、ふと気づくと妓楼前にいい歳の男が玄関前に鎮座していた。もし良ければ脳内でモノクロに変換してみて欲しい。往時の客のトラブルや、遊女が逃げないように見張っていた用心棒に見えなくもない。まるでタイムスリップしたようだ。

さて、生目神社前からメインストリートへ繰り出す。

ここがかんたん遊郭のメインストリートか。最近は遊郭跡を探訪しても一軒辛うじて残っているだけだったり悲しい遊郭が多いのだが、ここはまだ残っている方だ。

そのメインストリートでも往時の雰囲気を色濃く残すのはこの辺りではなかろうか。現存する中では大妓楼の部類に入る物件が今にその姿を残している。

ここはなかなか見ものだ。この写真をよく見て欲しい。左右の軒の高さが違うのがお分かりだろうか。左の妓楼は右の妓楼に比べて1m以上は高いだろう。

このかんたん遊郭のある妓楼の管理人にお話を伺ったのだがその老婆曰く「この妓楼は(左の妓楼より)高級やね。(軒の)高さが違おうが。な。今でもしっかり管理されとうし。」と語っていた。

確かに他の妓楼より巨大なのがわかる。後ろの民家と比べてもその差は歴然だ。

 

老婆が言っていたように物件の裏面もきれいに整備されている。しかも、色も黒調で景観を損なわないように気を使ってるのがわかる。とても伝統を重んじるオーナーに違いない。

一部分はかつての壁が残っているのも、マニアックな見どころだ。視線を他にやろう・・

ここが中庭部分を見下ろす窓だったんですかね。今中庭があったと思しきところはコンクリが打たれ駐車場?になっていた。残念。

で、窓の上には松の意匠もあったりしますよ。さすが高級妓楼だ。松竹梅の松ですわ。素晴らしい。

 

それにしても、地上から見るととてもでかい。下手したら安普請の3階建てのようにも見えなくもない。そんなレベル。

ここにも松の意匠がある。中を少し覗きたかったのだがどうやら留守だったようだ。残念。

ちなみにこのかんたん遊郭は遊郭探訪のバイブル。昭和5年発刊の全国遊郭案内にも記述があるのでそれを参照しながら結界内を見て行こう。

「大分港遊廓 は大分縣大分市大分港町にあつて、日豊本線西大分驛で下車すれば西北へ約五丁、電車は間た邯萏に下車すれば宜しい。(続)」てか、これ“邯萏(簡単)に下車すれば宜しい”って全国遊郭案内もシャレってます?90年前の人も同じシャレを使ってたのかw

 

さて、次回も全国遊郭案内の続きを見ながら「かんたん遊郭」をじっくり見て行きますよ。

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(2020)