【ロケットの街】北海道大樹町の「旭浜のトーチカ群」の内部に潜入する!【戦争遺跡】(3)

全国裏探訪取材班は、北海道大樹町の「旭浜のトーチカ群」を見に来ている。このトーチカが出来たのは、前述の通り大東亜戦争真っ最中だった。現在は終戦から78年経過しているが内部の様子はどんなコンディションなんだろうか。早速中へと入って行こう。

中へと入って行く前に、基礎の部分を見ていこうとするか。こうしてみると基礎の部分が無い欠陥建築のようにも見えなくは無いが、画面左下に見えるように、もともとは基礎(地中)の部分と接続されていたのではないだろうか。

それが長年の風雨と波によって脆弱となり、トーチカ下部が破断し基礎との接続が切り離されてしまったようにも見える。

トーチカ表層の様子を確認していくと、表面が10-20センチほど削られている部分があり、中には木材が露出しているように見えた。

鉄筋の類ではなく木材。しかも、鉄筋の錆のようなものも見つからなかったのでこのトーチカでは鉄筋は利用されていないのかもしれん。

で、このトーチカのコンクリートだが、表面から見てもコンクリートの攪拌がしっかりされていないように見える。ほら、こんな感じで玉砂利とコンクリートの混ざり具合が均一ではなくムラになっているのがおわかりいただけただろうか。

これを建築しだしたのは、終戦前年の1944年(昭和19年)だったのでそれも仕方いのかもしれん。米軍はすでに日本の絶対国防圏の目と鼻の先まで押し寄せているので、急ごしらえでしっかりと作る余裕も無かったのだろうか。そういや、同じ戦争遺跡でも長崎のココなんかは戦前の建築物なのでコンクリートの劣化は全然なかったよな。

さて、内部へと入って行くとしよう、入り口から覗いただけでここは少し大変そうに見える。このトーチカは画面の後ろ側に沈み込むように埋もれているようで、中に大量に砂が入りこんでいる。

入口から中に入る通路はクランク状になっており、直接弾丸や爆風が押し寄せないように工夫をされている。

 

これは入り口から入ったクランクを90度右に折れた時の内部の模様。砂が入り込み床と天井の高さが半分くらいに圧縮され大の大人だとしゃがみ込まないと中へ進むことができない。

中を見ていくと、当然終戦の武装解除によるためか、当時の砲身などの装備は一切見当たらない。それにしても高さが1メートルもない場所なので狭くて窮屈。

装備は無いが、中には流木やゴミなどが散乱していた。正直、野犬や蛇が出て来てもおかしくない雰囲気だったのだが、一先ず何事もなく一安心。

内部の壁面は、外の壁面ほど風雨に晒されていないためか比較的きれいな様子。取材班が手で触れたのだがコンクリートは細かくそこまで荒い感じはなさそうだった。

さて次回は残る旭浜のトーチカ群の様子を見ていきましょうかね。

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(2022)