全国裏探訪取材班は、熱心な読者りょり室蘭取材のタレコミがあったので現地に来ている。ここは終戦直前に「室蘭艦砲射撃」を受けたのだが、当時室蘭被害状況はどのようなものなのだったのだろうか。
「日本製鋼所室蘭製作所」
室蘭には製鉄所は日本製鋼と日本製鐵の2社がありどちらも被害を受けた。
まず始めに水上艦隊からの攻撃目標になったのは、日本製鋼所室蘭製作所だった。日鋼は度重なる米軍の空襲で攻撃を予想し敵の照準の精度を少しでも落とすため、あらかじめ煙幕展開用に重油を用意していた。
米軍からの艦砲射撃が始まると日鋼は準備していた重油に火をつけ煙幕を張ることになった。着弾観測に出ていた米軍の偵察機は、この偽装工作を弾着による被害だとして米戦艦部隊に「日鋼は全滅の模様」と報告。日鋼は被害を最小に抑えることができた。
「日本製鐵室蘭製鉄所」
「NIPPON STEEL(日鉄)」
しかし、次は米戦艦部隊は攻撃目標を日本製鐵輪西製鉄所側へ変更した。煙幕などは準備不足だった日鉄側は日鋼よりも激しい砲撃を受けることとなった。
主砲弾を無数に受けた日鉄の各工場は、写真のように金属製の屋根などは粉々に破壊された。
「中島町日鉄社宅街」
日鉄は、日本の都市部の空襲による甚大な被害は木造建築のため広がったものと認識していた。そのため、鉄製の屋根や防空壕では問題なく被害を免れるという認識だったようだ。
「主砲射撃中の戦艦アイオワ」
ただ、室蘭の空襲は爆撃機による焼夷弾ではなく、戦艦による艦砲射撃だったので、いかに鉄製の物だったと言え無意味だった。まぁ戦艦の主砲弾は敵艦の堅い装甲を貫くように設計されているので、工場の鉄板などは紙に等しかった。
「北海道庁立室蘭女学校防空壕」
そう言った間違った認識から日鉄が用意していたものに、鉄製防空壕というものが設置されていた。これは従来の塹壕型の防空壕ではなく、金属の箱のような防空壕だった。
ただこれも逆効果だった。艦砲射撃が始まると一目散に鉄製の防空壕に逃れたように見えあ従業員だったが、この防空壕に砲弾等は飛び込み、金属製の箱の内部で跳弾し被害が拡大。中にいた10数人の従業員が四肢をバラバラに切断される被害も出た。まさに、鉄の街の間違った知識による驕りの顛末だった。
ただそこで忘れてはならないのが今回のテーマでもある、日本の室蘭臨時要塞の抵抗だ。
次回「室蘭艦砲射撃」での「室蘭臨時要塞」の戦いぶりを考察していこうと思う。
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(2021)
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