全国裏探訪取材班は、タレコミがあったので北海道室蘭市に来ている。この室蘭は終戦直前に「室蘭艦砲射撃」を受け甚大な被害に遭った。当時の空襲に至る推移を見ていきたい。
「室蘭」
今更だが、まず室蘭の位置関係からご覧いただろう。室蘭は北海道の南側の太平洋に面しており、噴火湾の入り口である。
「むろらん観光マップ」
この噴火湾に突き出した絵鞆半島に室蘭の市街地、鉄鋼所がある。無論この町と軍需施設を守るために室蘭臨時要塞があったわけだが・・・
「室蘭飛行場」
室蘭艦砲射撃の実施前から北海道にも米機動部隊による空襲が各地で相次いでおり、室蘭も7月14日には室蘭飛行場もあることから空襲を受けた。
「陸軍一式戦闘機の残骸」
「室蘭港停泊の海上保安庁 巡視船れぶん」
空襲は米軍艦載機約40機が室蘭港上空に侵入。港内の海防艦2隻、汽船4隻、機帆船5隻。外海航海中の大型汽船3隻を撃沈させた。室蘭飛行場から迎撃に向かうべく、陸軍一式戦闘機隼が滑走路に進出したが、中止命令を受け退避していたがそのうち1機が破壊された。とうとう、室蘭飛行場から迎撃機が上がる事は無かった。
「主砲射撃中の戦艦アイオワ」
そしてついに、米軍は第38任務部隊より砲撃部隊第34.8.2任務隊が室蘭の攻撃に向け派遣された。1945年(昭和20年)7月14日夜から15日の未明にかけ室蘭艦砲射撃が始まる。
「主砲射撃中の戦艦ミズーリ」
この艦隊はオスカー・C・バジャー少将麾下第34.8.2任務隊は戦艦アイオワ、ミズーリ、ウィスコンシンを主力に、軽巡洋艦アトランタ、デイトン。駆逐艦9隻で編成されていた。
「主砲射撃中の戦艦ウィスコンシン」
これらの戦艦を中心とした射撃部隊からは、絵鞆半島の東海域、登別沖より16インチ砲(41センチ砲)を860発を室蘭市街地に向け発射した。
「16インチ主砲弾AP Mark 8」「16インチ主砲弾HC Mark 13」
各戦艦から放たれた主砲弾はこちら。徹甲弾と言われるAP弾で1,225キログラムある砲弾だ。
この主砲弾は1発が約1トンある。それを860発を室蘭の市街地、軍需施設に発射した。当時日本への戦略爆撃に利用したB-29の爆弾搭載量が9トン。と言うことは、単純計算だが860トン÷9トンで95機のB-29が飛来し爆撃したの同じになる。凄まじいな。
しかも、爆撃機から自由落下する爆弾と違い、主砲弾は巨大な慣性エネルギーを持つため、即席塹壕や防御施設はなどは無意味のため、甚大な被害を与えることとなる。事実砲撃の跡には約10メートルほどの砲撃痕があちこちに残されたらしい。
次回、「室蘭艦砲射撃」での被害状況を見ていく。
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(2021)