全国裏探訪取材班は、タレコミがあればどこへでも行く。今回は例によって北の大地北海道である。まずはタレコミの上投げ銭を頂戴した熱心な読者には敬意を表したい。さてんな読者から今回頂戴したのは「地元室蘭を紹介していただけませんか」と言う内容だった。
「東室蘭」
そのタレコミの読者曰く「大した産業のない室蘭に裏探訪さまのお力で紹介していただき、少しでも室蘭へ来る人々が増えれば(略)」と言う意内容だった。いやいや投げ銭18,000円ももらった分際で恐縮ですけど、我々裏探訪取材班が紹介するともう暗い歴史過ぎて逆効果になるかもしれない。と言うのはさておき、さっそく現場を紹介していきたいと思う。
室蘭と言えば北海道の地自体の人口ランキングでは20位。千歳市や岩見沢市と同じレベルだ。主に明治以降は「鉄のまち」として栄え人口が多いイメージもあるだろう。
それもそのはず、かつて重工業が盛んな時代は現在の倍の18万人が暮らしていた。現在は近年の新日本製鐵や日本製鋼所の自動化で人口が減少している。
「白鳥大橋」
そんな鉄のまちも戦前戦後共に大いに栄えたらしいのだが、その分大変なこともままあったようだ。それは何か。
それは他でもない、大東亜戦争(太平洋戦争)末期に起こった「室蘭艦砲射撃」だ。この室蘭は当時から北海道第一の重工業都市だったので、当然連合国からの標的になることになる。
「B-29の航続距離」
1944年(昭和19)年8月に日本軍はサイパン、テニアン、グアムのマリアナ諸島を失った。米軍はここを直ちに拠点化し同年11月から戦略爆撃機B-29による日本本土への長距離爆撃を始めた。
「長距離戦略爆撃機 B-29」
ただよくご覧いただくと、いくらB-29が航続距離が長いといえども、当時連合国の勢力下の中国成都やマリアナ諸島サイパンからでは北海道まで爆撃することはできなかった。当時爆撃予告の伝単にも、やはり本州や九州の都市しか書かれておらず、大都市の仙台や札幌、重工業地帯の室蘭、釜石などは書かれていないのがおわかりいただけるだろうか。
「室蘭市街地」
それでは、どのようにしてこの鉄のまちの室蘭を攻略したのだろうか。
当時、終戦が近づくと、日本の近海でも制海権がなくなっていた。現に同年7月以降はB-29による長距離爆撃以外に、アメリカ軍機動部隊の空母が近海に展開し、空母艦載機による大規模な航空機による爆撃や機銃掃射が日本全国あちこちで行われていた。
「戦艦アイオワ」
そのアメリカ海軍はB-29の行動範囲外の北海道の標的、室蘭市を狙いを定めた。室蘭の重工業地帯を戦艦をはじめとした水上艦隊の艦砲射撃による空襲を1945年(昭和20年)7月15日に敢行した。それに対し日本側も何もしていなかったわけではない。一体どのような装備で応戦したのだろうか。
次回、「室蘭艦砲射撃」の様子と室蘭の防衛施設「室蘭臨時要塞」を見ていきましょうかね。
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(2021)