全国裏探訪取材班は、鹿児島県霧島市に来ている。現在「永野金山」という江戸時代から続く金山があると、これまた熱心な読者からのタレコミをいただき、周辺を調査に来た。投げ銭もありがとうございます。
この辺りは深刻な過疎化と高齢化を迎えており、残念ながら、若い人はほぼ見かけない。通り過ぎた車でさえも高齢者ばかりである。
この金山は別の記事でも紹介している「山ヶ野金山」と実は山の反対側となっておりつながっている。この金山は当時薩摩藩の直轄地で1640年頃に発見され、第二次世界大戦最中の1943年の「金鉱山整備令」に伴い、閉山となるまで稼働していた鉱山である。金鉱山整備令は戦時中における今で言うところの「緊急事態宣言」と似た不要不急の労力を戦時に充てがうことを意味していた。
周辺に小さな集落があった。近隣住民によると、当時この永野金山栄えていた時に商売をやっていたり、労働者が利用していた食事処があるらしい。その名残でここに住居があるのだと言う。
しっかりとした家だが、既に空き家の状態。雨戸が物寂しく感じる。ほぼゴーストタウンに近い。取材班が呼びかけても何も反応がない。この場所に誰か住んでいるのだろうか?
この建物は周りと比べて異様に古いな。無論誰も住んではいない。廃村なのか?
取材班は何一つ生活音ならぬ物音を聞いていない。住んでいるような気もしなくはないが、よく見ると雨戸が閉まっていたり、部屋の荷物がないような状態の家が多く目立つ。がしかし、道は綺麗に整備されていた。
瓦がなく、トタンのボロボロの屋根で構成されている。。。倉庫のようにも見えるが、住居のようにも見える。もし住居であるとするならば、決して裕福な暮らしのようにも思えない・・・
「金山倶楽部跡」
当時この辺りは料亭などが軒を連ねていたらしく、この金山倶楽部跡では当時演劇などが行われたらしい。恐らくこの辺りは娯楽施設がたくさんあったのだろう。
熱心な裏探訪の読者の皆様ではもうお気づきだろうが、肉体労働者が働く町の界隈はその地域になじんだ娯楽施設が見られる。風俗もそうだがこういった施設は一般的に”悪”と捉えられがちだが、実は娯楽施設があるからこそ、町の治安と肉体労働者の精神状態が安定して働けるわけだ。
ここで言う肉体労働者は鉱山労働者だけでなく、「軍隊」なども含む。血気盛んな男達の明日への精力をつけるためには娯楽施設が必ず必要である。実は肉体労働者+風俗=町の安定というこの関係を戦前の日本はよく理解をしていた。だから彼らは占領地に慰安所を設け、慰安婦を雇用して町の安定をしていた。これを公娼制度といい、国家による管理売春である。
一方こういったことを実施しなかった国はどうだっただろうか。ライダイハン問題のような性的暴行の事件が跡を絶たなくなり、国際問題として長く世に遺恨を残していき、歴史問題が解決しないのである。無論日本でも慰安婦問題も賛否両論あるものの、慰安婦の証言も不思議なほど、強制された主張する人間と、強制はなかったと主張する人間もいる。
公娼制度がしっかりしていたからこそ、この金山は一時の栄華を安定して誇れたわけであることは間違いない。もし、そうでなければ、町はうまく回らないことくらいは理解できよう。今日は眠いのでここまで明日も「永野金山」を見ていこう。
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(2020)