全国裏探訪取材班は、石川県加賀市のDEEPスポット「ユートピア加賀の郷」こと加賀寺に来ている。ここは例にもれず昭和のバブル期に関西の実業家嶋中利男がノリで建てられた巨大寺院で、後年はテーマパーク、そして、温泉やホテルまで併設していたスポットだ。
「真言宗大本山観音院加賀寺」
「旧嶋中近代美術館・博物館(写真上、現在は改装され宴会場になっているが閉鎖)」
1987年(昭和62年)に加賀寺を開業した嶋中利男が手掛けたのは、ほかに加賀ユートピアランドや嶋中美術館・博物館、そのほかにレストランを開業させた。前述したホテルや旅館もその後開業した。
オープン当初は物珍しさもあり、年間60万人ほどの人出で大変賑わっていたらしい。北陸民からすればテーマパークと言えば「ユートピア加賀」と言われた居た時期もあるのだとか。
「夢いっぱいの 未体験ゾーン ユートピアランド」
敷地裏手には現役時代のユートピアランドの看板が今でも残されていた。この感じバブル真っ盛りのデザインって感じですよね。一周廻って現在でも受けるかもしれんな。さて、未体験ゾーンへレッツゴー。
「当時の資料」
さて、当時の資料を見ていきましょうかね。現在は資料写真の手前のホテルと温泉の部分と、左の寺院部分が今に残されているが、写真上部分には今は無い加賀ユートピアランド(遊園地)やプールなどの存在が確認できる。手前右には入場ゲートのようなものも見えるな。
「現在の入場ゲート跡」
その入場ゲートだが今でもその跡は残されている。スタッフの詰め所みたいなのも当時の写真と同じだ。
「現在の加賀ユートピアランド(遊園地)跡地」
ここが遊園地後だったところか。当時はジェットコースターや観覧車まであったらしい。遊園地は小規模なものでさしたる目新しさは無く入場者は年々減少していくことになる。さらに嶋中利男の運営する関西の中核事業も赤字に転落。1997年(平成9年)には社長も解任されついに翌1998年(平成10年)に破産宣告を受けた。
「現在の加賀ユートピアランド(プール)跡地」
遊園地後に関してはほぼ完全に跡形がなく原っぱ化していますけど、プールに感しては上空から見ると上部構造物こそ潰されていはいるが、まだプールの原型は留めているようだ。
最終的に加賀ユートピアランドは1999年(平成11年)に惜しまれることなく閉園。この「空想された理想的な社会、 理想郷、 理想の国」という意味のユートピアランドそう長く続くこともなく、今となっては本当に空想の世界になってしまった。何たる皮肉だろうか。
現在はこの「ユートピア加賀の郷」の中でも「観音温泉ホテル」と「加賀寺」が潰されることなく残っているので、次回はその寺院の部分をみていきましょうかね。
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(2021)