全国裏探訪取材班は、滋賀県大津市に来ている。ここには古くからこの地に存在する柴屋遊郭という色街があったことはご存知だろうか。別名「柴屋町遊郭」とも言うそうだが、あまり記録資料が乏しい旧色街を取材することにした。
「長等商店街」
今回の裏探訪の出発地はこちら。長等(ながら)商店街だ。ちょうど大津の旧市街の西側に位置している商店街が今回のスタート・
「長等一丁目3」
一応念のため、住所も記載しておこう、滋賀県大津市長等1丁目周辺だ。
早速取材班は、遊郭跡を目指し商店街に入っていく。ちなみに、ここはいろんな名称が残っているのをご存じだろうか。「柴屋町遊郭」というのだが、それは総称らしく1930年(昭和5年)発刊の全国遊郭案内には「上柴屋遊郭」「下柴屋遊郭」との記述がある。
ちなみに大津って結構歴史が古くて、こんな感じでオンボロの商店とかも結構あったりもする。それもそのはずで、中大兄皇子(ナカノオオエノオウジ)で知られる、天智天皇がいたのがここの大津だ。
ここ大津は天智天皇のころ(西暦667年)に飛鳥(現在の奈良)から遷都されてきた。名称は「大津京」や、「近江京」として知られているのは少し歴史を知っていれば周知事実。
柴屋町遊郭の話に戻すと、そんな古の古都にはもちろん付き物の色街は当然ここにも発生したそうだ。明治になれば女性が集まる遊郭として営業し始めたらしい。うん、確かに古い町並みだ。
路地をゴニョゴニョ行くと、こんな感じの物件がいくつもあることがわかるだろう。自家用車は入ってこられないような路地裏が結構あるんで、車での来訪は大通りのパーキングに止めておくことをお勧めする。
こちらの物件は元料亭かそれか旅館なのか。つくりは結構豪華ですね。
出入口はこんな感じ。いやぁなかなか風情あるつくりだな。もともとは何だったんですかね。
「戎屋」
そこんとこの路地を抜けると、これですわ。地元民にお話を聞くとこれは戎屋という元妓楼らしい。いやぁ早速出ましたか。
こちらは、別角度からみたイメージだ。この手前の駐車場は清水湯という銭湯があったらしい。今は潰されてないんですけど、そのお陰といっては何だがこのようにサイドからも妓楼がみられる。
遠目から見てもかなりズタボロなのが見て取れるんですけど、アップしてみるとこんな感じ。ところどころ補修されているのか、新しい木材がはめ込まれている、上の擦りガラスもいい感じだ。
そしてなんといっても、この戎屋のアイコンといればこの2階の角にある飾り窓ではないだろうか。もう土壁がむき出しで痛々しさがあるんですけど、丸窓の中の衣装はまだまだ健在。長い時間の流れの中にドラマを感じる。
こちらは広角で見た感じ。妓楼の隣には小さい用水路が流れている。外界と遊郭を仕切る結界として機能しているようだ。
軒を見上げるとこんな感じで、行灯があることが確認できた。よくあるものとしては丸型が多いですけどここは角型か。
2階の窓も普通の格子戸かと思ったんですけど、実は格子一つ一つに意匠が組み込まれてるんですよね。98%ぐらいが取れてしまってるんですけど、辛うじて生き残ってるのもあるようだ。
のっけからパンチのある妓楼が出現したんですけど、「柴屋町遊郭」はまだまだ広いんで次回も見ていきましょうかね。
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(2021)