全国裏探訪取材班は、石川県能美市「下開発町」にて苗字に関する調査をしている。ここは集落の東西南北に忠実に、苗字も「東西南北」で所在しているらしい。さて、どのような状況なのだろうか。
「下開発町の苗字分布のイメージ」
取材班は前回より「南エリア」から北上しながら取材を続けている途中「南エリア」で「南さん」という地元民に遭遇した。
「南さん」
そこで取材班はこの下開発町の苗字の”妙”についてお話を伺った。まず話を伺ったのが、本当にこの集落は東西南北の方角に忠実に「東西南北」の名字が分布しているのかについて尋ねた。すると「本当だね。ここから先は中さん。で、もう少し向こうには北さん」と答えてくれた。
この「南さん」の指差すさきへと言ってみる。南さん曰くここは「中エリア」だそうなのだが、実際はどうなのか。ちょっと土建屋のような風情だろうか。
「建設業の許可票」「中」
南さんのいうように確かに「中さん」の事業所兼自宅だったようだ。これはマジでこの下開発町は東西南北に忠実に東西南北の名字があるっぽいな。
他にはこちらのお宅も少し覗いていこうか。ここも「中エリア」だ。
「日本赤十字社 特別社員 中」
もちろん集落の真ん中に近い物件なだけあって「中さん」だ。これはすごいぞ。続いてこちらのお宅。
ここまでくれば、もう「中エリア」と「北エリア」の境界ぐらいなんですけどここの苗字は・・
「中」
正解は「中さん」でしたよ。なるほどここもまだ中さんエリアなのか。ここより先は完全に「北エリア」になるんですけど、「北さん」の表札は発見できるのだろうか。
さて、この道はちょうど集落の一番北側を東西に通ってる道だ。ちょうど、いま東側にカメラを向けているので、画面左側が「北エリア」となる。続いてこちらのお宅を見ていこう。
「北」
こちらも、「北さん」で間違えないようだ。それにしても北国ゆえ玄関の扉が二重になっていて表札が見えにくい。これもこの地区の醍醐味か。
「北」
ここのお宅はどうか・・
「北」
さらにこの通り沿いの別の物件を覗いていく。やはり「北さん」のようだ。マジでここは北ストリートかぁ。
「故陸軍兵長 勲七等 功七級 北繁雄之碑 金澤聯隊區司令官江口四郎謹書」
で、そんな北さんストリートに大きな戦死者の碑が立っていた。おそらく二等兵で入隊した「北さん」が一等兵に昇進、その後名誉の戦死を遂げ二階級特進で兵長になったということだろうか。ちなみにこの陸軍上等兵の上に置かれた兵長という階級は日中戦争の長期化で1940年(昭和15年)に新設された階級なので、少なくともそれ以降すぐに戦死したものだろう。
なぜすぐに戦死したのかというと、終戦が1945年(昭和20年)のため、終戦に近くなればなるほど、戦死者も増え物資も余裕もなくなり、こう言った碑が立てられることは無くなったらしい。やはり、その頃から「東西南北」の名字があることも確認ができた。
「南さん」「中さん」「北さん」ときて、あと残すのは「東さん」「西さん」だ。次回は「東エリア」へと入って調査していきましょうかね。
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(2021)