全国裏探訪取材班は、1955年(昭和30年)発刊の全国女性街ガイドにも掲載されている「八幡園」を見に来ている。この尾頭橋の遊廓はどんな感じの歴史があるのだろうか。
全国女性街ガイドにはこうある。「戦前の花柳界八幡連がゴッソリ赤線に転向。(続)」なるほど、元々戦前は花柳界で花街だったのか。それが戦後は打って変わって赤線化した。
「四、五年は味があったが当今はだめ。中川区八幡町にあり六十八軒三百二十四名」ほぅ、この全国女性街ガイドの発刊が昭和30年なんで、終戦が昭和20年なんで終戦から4、5年は良かったんですけど、昭和30年になればもう味が無かったのか。
今はもうこんな感じで妓楼は5、6軒残って居るだけだろうか。68軒あったという事はこのような妓楼が10倍あったという事か。遊廓なんでマジで密集していた感じか。324名も娼妓が居たのはすごい。
ここなんかも未だに往時の雰囲気を今に残している。戦前は花街だけあってちょっと料亭のような感じがしなくもない。
こっちは別角度からみた図だ。こっちサイドは塀が少し低いので中の様子を覗くことが出来たんですけど、洗濯物が干してあったりしてるんでここも住人がいまだに住んでいるパターン。
「八熊交番前」
尾頭橋公園の南へ行くと県道115号線に出るんですけど、ここには交番がありますね。まぁ遊郭には交番は標重装備ですよね。
「尾頭橋公園」
「金鈴商店」
尾頭橋公園の西側にもソレっぽい物件があるな。今現在は昔の万事屋みたいな風情なんですけど、今は単なる自販機コーナーか。
角の入口には丸柱が二本ある。かつてここが遊郭の玄関だったのだろうか。そこは後年たばこ屋になったのかタバコの文字が両側に書かれている。
この金鈴商店なんですけど、側面には政党のポスターや探偵事務所のポスターがズラリ。かなり香ばしい光景。
しかも、政党ポスターなんですけど、公明党ばかりが張られているんじゃなくて、幸福実現党とかも貼られて居たり。結構思想的には逆だと思うんですけどね・・
で、その金鈴商店の北側にもこのような物件が。ここは公明党のポスターだけなのでやはり、生きてるか死んでるか分からない先生を信仰しているんでしょうか。
でも、なんか住んでいる人は居ないっぽい感じだなぁ。当時の意匠も残って居るし。
瓦もよく見てほしい。扇形の瓦もありますよ。これもなかなかいいですよね。素晴らしい。
こんな感じで非常にいい雰囲気なんですけどいかがだろうか。玄関の当時からほとんど変わってないっぽい感じ。
玄関の引き戸にも当時からの商いの紋だろうか。今に残って居る。でも人が住んでいないっぽいんでもうズタボロだなぁ。
玄関から中を覗くとこんな感じ。一見伝統的な和食料理屋さんみたいな感じなんですけゴミ溜めのようになってしまっている。もしかして家主が絶命してしまったんでしょかね。特殊清掃中とか?
この尾頭橋遊郭こと「八幡園」は妓楼がいまだに住んで利用されている所も多々あったりもするんですけど、もう既に家主が居らず解体を待っているような物件もあったりする。まぁ名古屋駅から1駅なんで名駅で時間調整するヒマでもあったら見学に来てもいいのかもしれん。
(2020)
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