全国裏探訪取材班は、鹿児島県伊佐市に日本最大級の金山があると聞いてやってきた。かつて日本は黄金の国ジパングと呼ばれたが、今では商業的に行えている鉱山はこの鉱山たった一つである。現代の日本の鉱山を知る上で重要なこの場所を調査しにきた。日本の金鉱山が次々と閉山していく中、稼働中の金鉱山を見て行こう。
鉱山名は「菱刈鉱山」といい、1981年の調査で鉱脈が見つかり、1985年から稼働している比較的に新しい鉱山と言える。この鉱山は年間国内産出の実に9割を占めている。
「住友金属鉱山株式会社 菱刈鉱山」
住友金属鉱山が管理運営をし、年間6トンの産出を誇り、かの有名な佐渡金山を抜き、埋蔵量は2012年に新たな金脈が発見され今後の採掘に期待したいところだが、世界で一番の産出量を持つ国はおとなりの中華人民共和国(中国)が約450トンなので、色んな意味でももう日本は黄金の国ではありません。
ちなみに当たり前ですが、一般市民は立ち入り禁止区域であり当然金(ゴールド)であるがゆえに全く中には入れませんので、よろしくお願いいたしますw安全管理がうるさい昨今最前線はそんなに甘くありません。
ちなみに現代の鉱山はたくさんの最新鋭の機械や仕組みやシステムが導入されているため、何にもないただの立ち入り禁止のゲートだと思いがちですが
思いっきりカメラがありますし、停車して不審な行動をすれば、すぐに警備員がかけつけます。またちょっとでも映れば、他のカメラからも確実に狙われますので、おススメできんねw
鉱山の入り口はもちろん関係者のみの立ち入りとなっているが、至るところにパイピングされている。これは鉱脈から温泉が出ているからである。そう、鹿児島県といえば有数のおんせん県である。火山活動が活発な県には地殻変動が起きているので、必ず鉱脈が眠っている。
温泉が地下から掘り起こされるということは何を意味するかというと、地盤沈下である。実際に昭和59年頃から地盤沈下並びに湯之尾温泉を営業していた170年以上自噴していたものが停止した。
ではこれを住友金属鉱山はどうやって解決したかというと「鉱山から出た温泉は菱刈泉熱開発株式会社という町と住友側の共同会社を作り、湯之尾温泉へ約6kmパイプラインを作り、流すことにする。地盤沈下の原因の究明を待たずに,県や町の指導の下、救済基金を町に寄付することとした」つまり金(現金)で解決したわけだ。これで住民は何も文句を言わなくなったようだ。結局ズブズブな話である。
で、これが斜坑入り口である。通気量の確保と,積載能力13.5tの鉱山用低床式ダンプが通行できるように,高さ3.5m・幅4.4m のアーチ形状で傾斜17%の下り勾配としている。
「菱刈第二位斜坑」
一般的にトンネルの中は年中涼しいのが一般的なのだが、ここはそうでは無い様だ、なにせ温泉が噴出している為気温は30度ほどにもなるのだという。
幸い菱刈鉱山では大規模な事故は無かったようだが、鉱夫もなかなか大変な仕事だな。事故が有ったら死に直結するし。有害な温泉ガスもあるかもしれないし。
そんな山の神が怒らぬようにトンネルの上の住友マークの下には、小さな祠が建立されていた。それでも万が一の事故に備え・・
「ドクターヘリ離着陸場」
ドクターヘリの離着陸場がある。近くに大きな施設の病院がないせいか、しっかりと地面にヘリポートも備えている。またこの施設は研修施設としても稼働しているため、こういったものも鉱山のモデルケースとしても紹介されているのであろうか。
最後にこれが菱刈鉱山の全体風景だ。とてつもなく広い施設である。いづれこの鉱山もいつかは閉山の時が来るだろうか。稼働しても採算が取れない現在、もう日本でゴールドラッシュは無いのかもしれない。
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(2019)