【日本一の】「中村遊廓」こと「名楽園」は今でもソープ街だった。【遊郭】(9)

全国裏探訪取材班は、中村遊廓を見てきているわけだが、今回は他でもない昭和5年発刊の遊郭探訪のバイブル「全国遊郭案内」を見ながら当時の様子を振り返っていきましょうかね。

中村遊廓は全国遊郭案内には「名古屋市旭廓」と表示されている。さてその記載内容を見て行こう。

「名古屋市旭廓は愛知縣名古屋市西區大門町に在つて、東海道線名古屋驛で下車すれば西へ約二十丁の地點である。乗物は市電もあれば乗合自動車の便もあつて、市電は片道四銭乗合は片道六銭である。(続)」

たしかに、この中村遊廓は記載の通りだ。現在アピタ横には交番がある。これも旧遊郭や赤線の標準装備と言っていいだろう。

「ピアゴ 新大門商店街」

そういや、昔ここを通った時にはもう少し妓楼が残っていたような気もするが現在は取り潰され新しい民家とか建っていたりする。

ここには、黒いベンツが止まっていたりいかにもややこしそう。何の事務所なのか・・

「愛知県S・B防犯協会」

愛知県S・B防犯協会これは確かこの辺のソープに関連する協会だな。まぁ小学生にありのままを語れるクリーンな組織じゃないことは確かっぽい。

「(続)大正十二年に舊遊郭から現在の遊廓へ移轉してからは、建築物も堂々たる大厦高樓と成り、一切の設備も完備して一大遊廓と成つた。(続)」

「COFFEE ROBIN」

このコーヒーショップも一見ウッディな佇まいで2階に窓があるような造りなんですけど、よく見るとこの意匠、四隅に張り出した道とか中村遊廓の縄張りっぽい。ここのマスターもなかなかお洒落なことしてくれるな。

「現在貸座敷は百三十九軒あつて娼妓は千六百五十人居る愛知懸の女が最も多く、三重縣も女は此れに次ぐ。店は寫眞制で陰店は張つて無い。娼妓は居稼ぎ制で送り込みはやらない。(続)」

「遊興は總て時間制で廻しは絶對に取らない。費用は家によって異なるが大體に於て一時間一圓二十銭、十二時以降翌朝六時迄は五六圓見當である。祝儀及臺の物は別だ。妓楼は、(続)」

「賑町 青海樓 新常盤樓 常盤樓 金蛭樓 新福本樓 金寶来樓 自由亭  福住樓 新星樓 新福樓 蛭子樓 新桔梗樓 山月樓 銅山樓  新玉樓 松花樓 政中島樓 新扇樓 和風樓 新甲子樓 曙樓  大萬樓 末長壽樓 望海樓 富士波 松栄館 金水樓 東洋樓(続)」

「羽衣町 新三朝 本家徳栄 杉浦樓 梅月樓 第一徳栄 柴本樓 大陽樓  本松島樓 第三武蔵 中村樓 新石樓 初夢樓 第二雨川 中島樓  富久波樓 萬盛樓 山八樓 幸星樓 長谷川樓 大清水樓 清長壽樓  三つ星樓 衣和合樓 繁長壽樓 大橋屋 千代田樓 開運福 開喜樓 若波樓 東樓 繁森樓 豊岡樓(続)」

それにしても、個人名から命名されたようなネーミングから長寿や縁起の良い言葉から取った名前が多いな。これが昭和初期に流行っていたネーミングなのか。いろいろ勉強になるな。これでもまだ賑町、羽衣町だけ、次回大門町、寿町、日吉町を列挙していきますよ。

次回いよいよ中村遊廓最終回。最後までご覧ください。

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(2020)