全国裏探訪取材班は、東京は銀座にある「中銀カプセルタワービル」に来ている。たまに首都高からも見ることがあるのだが、とにかく変わった物件が好きな取材班なので結構胸アツなんですよね。さて1階のエントランスから見て行きましょうか。
「中銀カプセルタワービル」
一階にはビル名の表示があったりするんですが、完成してから半世紀以上が経過しようとしているので“中銀カフセルタワーヒル”になってしまっている。誰かイタズラしたのか単なる老朽化なのか。管理人も居るんだったら修繕してやれよ・・
「Nakagin」「中銀」
取材班も最初は知らなかったのだが、この「中銀」と言うのは“中央区銀座”から取られたものだという。てっきり中央信用銀行とかそんな類かと思った。ちなみにこの「中銀」は中銀グループと言う不動産を中心に扱う企業だという。
植木鉢なんかも時代を感じるデザインだな。何十年も銀座の変遷を見てきたのか。
「B棟はこちらです」
エントランスの外から中を覗き込んでみましょうかね。あ、管理人が居ますね。
「A棟はこちらです」
中はどうやらA棟とB棟に分かれているようだ。ABそれぞれエレベーターが別にあり、エレベーターの周りに螺旋状に階段が設置されている。そこからカプセルが四方に接続されているようだ。
遠目からは一棟のビルにみえるのだが、よく見ると分離されているのがお分かりいただけるだろうか。
このユニットは窓同士が見えるので目隠しが取り付けられている。
中にはごみが散乱してそうなユニットもあったりもする。しかも、合金製で出来ていると思しきユニットも錆が回り始めており、ガムテープのようなもので修繕している所も見られる。現に140個あるユニットの多数が雨漏りとか電気が普通とか居住区としては使えないのだという。
ユニットの下をのぞき込むように見てみると、確かにEVのある中央の躯体とマウントされていることが分かる。他にも水道とか電気系統も接続されているが錆びだらけだな。
ビルトインのエアコンも使用不可能だったりするので、しれっと市販のエアコンのホースも伸びてたりもする。これだけ長かったら能率落ちるだろ・・
こんな状況を見ていると、当初の設計を活かし新ユニットを交換とか、当初のメタボニズムの思想を取り入れる時ではないのか。と、思ったりもするのだが、実は今までユニットが交換されたのは一度も無いという。崩落防止のためネットまで被せられてるし・・
そう、実はそこんとこはアスベストが外壁内側に吹き付けられていたりとか、黒川紀章が出版社を訴えたりとか一悶着も二悶着あったり。しかも、物件の区分所有の関係で建て替えの意思が一致しなかったり、その後も色んなごたごたがあって今に至っている。まぁ詳しくはここを見てください。
少し裏に回るとこの通り。ズタボロだなぁ。かれこれ、もうすぐ50年なんで仕方ないんですかね。かつては高級デザイナーズ物件だったのだが見る影もないな。
ただ中にはまだ天井に照明が灯っていて住んでいそうなユニットも見えたりするんですよね。ちなみに、この物件は現在調べると67000円と管理費5000円で居住可能らしい。分譲もあると聞くのでもしよければ、今のうちに文化財級のナウでヤングなカプセル物件に住んでみては。
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(2020)