【徒歩0分】京街道の中継地「橋本遊郭」ってどんなとこ?妓楼内部も初公開!【異界】(6)

全国裏探訪取材班は、橋本遊郭を見にきているわけですけど、かなり前に赤線が廃止されたはずなのだが、かなりの数の妓楼が保全され残っている。その続きをまだまだ見て行きますよ。

本通りから路地裏に入っていくとスナックの残骸のような物があったり。モロ赤線の面影があるんですよね。

当時は橋本遊郭の結界の中だったと思しきところには、祠もありますよ。この付近の界隈は当時物の物件が殆どないな。

かつての赤線か妓楼の跡か何かですかね。経年劣化どころか今は礎石のように基礎にトタンが被せてあるだけだ。

最近はスクラップアンドビルドが繰り返される橋本遊郭だが、まだまだ妓楼が多い。消火栓の赤い入れ物がいい雰囲気を醸し出す。

この妓楼は当時からの玄関なんですかね。珍しい3枚扉のドアが今でも残る。これはレアではないかな。

夕方が近づき西日があたる。綺麗な縦細の格子なのだ。光が真っ直ぐに当たり内部に光が当たり、少し中の様子が想像できる。ここのように半世紀以上前の光景が今でも残る場所って滅多にないんじゃないでしょうか。

右側の物件は残念ながら脱落しているが、この風景は素敵だな。ちなみに1930年(昭和5年)発刊の遊郭バイブル「全国遊郭案内」の「八幡町遊廓(橋本遊郭)」こういった記述がある。

「(略)京阪線鐵橋本驛以西が全部遊廓の許可地に成つて居る。明治十年の創立で、歌舞伎で有名な「引窓」の「橋本の里」が今遊廓の在る所だ。(続)」

なるほどな。やはり記述通り。現在でも京阪線以西のエリアが遊郭になている。現在妓楼が集中するところは淀川沿いの本通りの部分だ。

 

「八幡市 橋本小金川」

「(続)淀川、桂川、宇治川、の三川の合流に沿つて居るので、風景もよく、夏は涼しく、多数の綱舟が出漁して、夜間の不夜城、川岸に妓歌のさんざめく邉りは實に別世界の感じがある。恰度京、阪にお中間に位置しているので、斯うした情景を慕い寄つて来る者が多いので花街はめきめきと繁盛し、(続)」

なるほど、やはり前述の通り風光明媚なのは間違いなかったらしい。しかも日本の代表都市大阪と京都の中間とあって、そんな風流を求め大きく成長したらしい。この妓楼なんかも収容人数相当あったんだろうね。奥行きがパない。

京阪間の歴史のDEEPゾーンとして今でもその規模と保存状態の橋本遊郭だが、戦後一時期も赤線としてソッチ系の営業をしていただけあって、怪しいスナックや、その残骸が今でもあるのだが、この物件なんかもその一つですかね。後ろに地盤沈下したような形の物件はかなり印象に残った。一体何だったんでしょうかね。

 

この物件が見えれば橋本遊郭の最南部まできたことになる。この物件は橋本湯という銭湯だ。何といっても遊郭に欠かせないのは銭湯だろう。客が登楼前お気に入りの遊女に嫌われないために綺麗にしていたんですかね。当然女湯の方は遊女がわんさかだったんでしょうか。

「橋本湯」

にしてもこの橋本湯の破風上にある鬼瓦は、かなり気合の入ったデザインだな。これもすばらしい。

取材班は橋本遊郭南端まで到達したのだが、橋本駅まで行く路地にまだ物件があるようなので、次回はその物件と、全国遊郭案内の続きを解説して行きましょうか。

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(2019)