全国裏探訪取材班は、京都府八幡市にある「橋本遊郭」に来ている。前回は橋本遊郭の北側からアプローチしてきたので今回はその続きを見て行こうと思う。さて早速歩いて行きますか。
「渡し場跡」
この橋本遊郭があるのは、京阪本線と淀川の間に存在していた。その大阪湾に注ぐ淀川はこの橋本周辺で、桂川、宇治川、木津川の三つの川が交わる場所でもある。
そこには、かつて川向こうの大山崎方面への渡し舟がありその石碑なんかも建てられている。まぁこれが橋本遊郭北側入り口の目印だ。現在は、大型の堤防が建設されており、大山崎方面を地上からは望むことができない。
府道13号線京都守口線も兼ねる堤防を登ると、大山崎が望めますね。対岸とをつなぐ橋は下流側に枚方大橋で、上流は御幸橋・天王山大橋まで連絡橋がなく、その間10Km以上淀川に橋がなく、現代でもここに橋が欲しいぐらいだと現地民は思っているらしい。現代になって逆に不便になったわけか。
で、その堤防から、橋本遊郭側を見るとこんな感じで今でも妓楼が残っていますよ。うわ〜これはなかなか香ばしい風景では無いだろうか。
今でも、ガッツリのこってるな。かつての淀川の河辺にせり建っているのがお分かりだろうか。
「多津美」
ちょうど堤防の上から見下ろせるような格好で橋本遊郭を観察することができる。これはなかなかいいスポットでは無いだろうか。
堤防の上からは、妓楼がぎっしりと旧川縁に建っている様子を特とご覧いただける。今最近ここまでしっかりと残ってるのは無いよね。
さて、堤防の上から細かいでティールを見て行きましょうかね。どの妓楼も、綺麗でもなく、荒れ放題でもない。そんな正常なエイジングをされている。
全ての妓楼が3階建てのように見えるが、これは間違いでも正解でもある。妓楼が地上から旧川縁に迫り出しているように建っているので、地上から見ると2階建て、川側から見ると3階建てに見えるわけだ。
どの妓楼も、地下1階部分は洗濯スペースや物置として活用されている。
ある物件の河川敷側の勝手口。中央のアルミサッシは残念だが、左右の小窓が見事な円窓だな。内側からは外光をとりこんでステンドグラスが輝いていたんでしょうかね。
窓なんかも斜めに開閉するタイプ。今はビジネスホテルの窓なんかがこの方式だけど、当時としてはかなりハイカラだな。
堤防と遊郭側の間には大谷川と言われる川が流れており、水量はほとんどない黒いドブ川だった。不覚にも真っ黒でお歯黒をイメージしてしまった。
中には戦時中のようにガラスにテープを貼ってあるような物件もありましたよ。戦時中のようにって、戦時中から貼ってるのかもしれませんが・・・
そんな風流な物件たちも時間の流れと共に、少しづつ姿を消しているようで、歯抜けにねってきているな。
ただ、残っている妓楼はなかなか見応えのある物件ばかりだ。
当時は妓楼からは淀川の風光明媚で開放的な姿が見えてのだろうが、現在は味気ない新堤防とお歯黒ドブ川しか見ることができない。
まぁそんなことばかりを考えていても鬱になりそうなんで、次回は橋本遊郭のメインの表通りへと入って行きましょうかね。
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(2019)