全国裏探訪取材班は、別府最古の温泉と言われる温泉郷「浜脇温泉」に来ている。浜脇温泉の中心地から歩き出すこと数分早速往時の遺構と思しき物件を見つけることができた。見ていきましょうかね。
今では浜脇遊郭を象徴する物件の双璧と言っても過言ではない。左に洋風、右に和風。これはかなりみごたえがある。
「旧貸席ますや」
先ず左の物件から見ていきたいと思う。1階部分はエメラルドグリーン。2階部分はオレンジとなっている大胆なデザインだ。
面と丸が織りなす当時としてはすごくリッチな意匠。もしかすると2階部分もかつてはタイル張りだったんでしょうか。
後年アルミサッシがはめられているのは少し残念だったりもするが、このカフェー調にも見える遊郭物件が現代にも存在していること自体が何か特別なものがある。2度と灯ることのない出入り口横の行灯が何処か悲しげ。
エメラルドグリーンのタイルのクローズアップ。細かい縦横のヘアラインが貸石ますやの作りをより豪華に見せている。見どころの一つだ。
この玄関のR部分もなかなか見事ですね。よかったら訪れてじっくり観られては。
さて、貸席ますやの右隣には純和風の物件があるな。このコンビネーション最高じゃないですか?マジで浜脇の双璧だ!
「旧貸席かしく」
どっしりと構えた特大の屋根に、二階の手すり。円窓と玄関のシンメトリー。完璧な遊郭建築ですよ。これ。
今でも稼働できそうな物件かと思ったが、近づいて円窓とか細かいところを見ていくと、結構長年の風水に晒されたダメージがあるな。
窓の鉄網なんかも錆だらけでとても痛々しい。歴史的な物件なので、市などの行政がもっと手入れしてくれればいいんですかどね。
いつも思うのだが、重要文化財とまではいかないにしても、手入れしていい感じに展示できれば観に来る人もいたりして。
この飾り窓から、今にも女が下にいる男に手を振りそうである。欄干と言うか手摺りというかもしっかり残ってるし。素晴らしい。
屋根に関しては、所どごろ痛みはあるもののまだ大丈夫な様子。鬼瓦も健在ですな。
いつまでこの佇まいを浜脇温泉に残してくれるのですかね。
さて、この浜脇遊郭の双璧をなす物件から視線を北に向けると、またそれっぽい物件があったり。なかったり。しますね。
次回はこの浜脇遊郭の界隈をじっくりみていきましょうかね。何があるのかたのしみですわ。
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(2019)