【最新技術の】山梨リニア実験線だけじゃない!全長7㎞の壮大な廃墟「旧国鉄宮崎リニア実験線」 【廃墟】(4)

全国裏探訪取材班は、日本最長の廃墟「旧国鉄宮崎リニア実験線」に来ている。どんな廃墟もそうだが、基本的に人間が立ち入るとよろしくないので、ドローンによる空撮を実施。普段地上からしか見られない光景を様々なアングルから見て行こう。

〔32°18’31.9″N 131°35’27.7″E〕

取材班は宮崎リニア実験線の北端から2Kmほど南に来た留置線があるところにいる。これが上空から見た写真だ。本線から分かれているのが分かる。左の最先端技術のリニアの軌道の廃墟と、右の日豊本線の現役狭軌軌道との対照が印象的な構図だ。狭軌の方が歴史が古いのにもかかわらず、新しい軌道が放置されている。(鉄道マニアだけだが)いろいろ考えさせられる。

留置線の本線分岐の部分を見て行こう。写真右が本線、左が留置線となる。反対側から撮影した過去の写真があったので見てみる。

「宮崎実験線のトラバーサ式分岐装置 側線側に転換したところ」(公益財団法人鉄道総合技術研究所HPから引用)

本線から留置線につながるトラバーサ式分岐装置。これは全長約80m、6つからなる移動桁を少しずつ動かし本線と留置線を接続する。

高架のプレートの上に移動器具が並ぶ。これらの器具によって、上部に乗る桁を動かす。

油圧のアクチュエータだろうか。本線から留置線へ軌道をずらす。分岐地点では移動量が少ない様だが・・

留置線につながる部分の移動量は当然ながら、車両幅分以上はズレることになるので、移動量が2mほどになるようだ。

現在は、移動桁は本線に接続されており、留置線から見るとこのような図となる。

「MLU-002」(時事通信社記事より引用)

ちなみにこれはMLU-001の後継機種「MLU-002」。この移動桁による留置線侵入の実験は主にこの機体が用いられた。ちなみにこの実験による耐久試験などの結果は、のちの現在の山形実験線にも応用されることになる。

「速度検出中央端子盤3」

このMLU-002の後継「MLU-002N」は1995年(平成7年)宮崎リニア実験線での有人走行最高速度記録411km/hを達成した。

その後、MLU-002Nは超電導磁石の弱点である“クエンチ現象”という大敵も克服し、宮崎リニア実験線における次世代鉄道の基礎実験は収束に向かっていくことになる。

次回、この留置線跡より最北端へ向かい。この旧国鉄宮崎リニア実験線のメイン施設「管理棟」を見に行って最後のレポにしましょうかね。

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(2019)