全国裏探訪取材班は、都会の秘境駅「南海木津川駅」を取材している。そろそろ起点駅「汐見橋駅」に向かおうとおもう。
「阪神高速17号線」
取材班は木津川駅周辺の調査を終え、駅に帰らんとするのだが、高速道路の橋の下にはホームレスが。
愛車を停め、鳩と一緒にお昼寝ですか、、流石に気持ち良さそうには見えない。こんな蚊がはびこる季節に寝るなんて拷問だな。
公営博打の購入カードも散乱。
ドンキの買い物袋に半額の弁当。博打も勝ってはいなさそうだった。
さて、取材班は再び汐見橋線に乗車し、汐見橋駅を目指す。
木津川駅を出て数分で汐見橋駅に到着する。
「南海汐見橋駅」
この駅ができたのは木津川駅と同じ1900年(明治33年)。南海電気鉄道の前身、高野鉄道の駅として開業した。当時は“道頓堀駅”として開業した。確かに近くに道頓堀川がありるのだが、本来の道頓堀と言われている場所はここから東へ1kmほど離れた場所のため、翌年には“汐見橋駅”と改名された。
それから、高野線のターミナル駅として役割を果たすことになる。現在の駅舎は1956年(昭和31年)に完成したもので、現在でもターミナル駅のオーラがある。
現在はそのようなオーラはないが、空間の取り方とかは往時のターミナルのそれだな。
そして、数年前まではターミナル駅を示すかのように、この改札口上に観光案内図まで掲示されていた。
「南海沿線観光案内図」
これは、かつて汐見橋駅の名物(?)として長らく掲示されていた伝説の地図だ。実はこの地図、昭和30年代のものらしいのだが、紀伊半島や四国、淡路島の沿線と航路、観光名所などが細かく記載された今となっては貴重なものだった。
地図には深日港から淡路島への汽船航路や、約半世紀前に廃止された、淡路島内の淡路鉄道や、さらに、和歌山市内に目を向けると南海和歌山軌道線(和歌山市内市電)も記載されている。かなりレアだな。
こんな、レアな地図だったのだが2016年に南海電鉄によって破棄されたという情報がもたらされたのだが、後になり南海電車まつりというイベントで一片数千円で切り売りされた。なんとも残念だ。
そんなこんなで、まさにオワコンと思われていた汐見橋駅だが、2つの希望の光が現れる。それは“なにわ筋線”構想と“阪神なんば線の桜川駅設置の予定”だ。
まず、一つめのなにわ筋線構想。これは大阪のキタ(梅キタ再開発エリア)とミナミ(南海本線)にも 幹線を作ろうという計画。何案か路線案があったが残念ながら、本決定にこの汐見橋線は入らなかった。昔から、このなにわ筋線構想があったため廃線にせず残していたのにまさかの落選だった。
「阪神電車 桜川駅」
そしてもう一つが、阪神なんば線。これは阪神電車の支線である西九条線と近鉄大阪難波をつなぐ新線だ。その新線の中間駅の一つとして「桜川駅」が完成。見ての通り乗り換えが可能になりなになった。
一時期はなにわ筋線構想に振られて、オワコンで廃線になると思いきや、なんとか首の皮一枚で繋がった格好だ。乗降客数もV字回復した。この大都会の秘境駅も抱えるローカル線もまだまだ見られそうだ。大人の探検にオススメだ。
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(2019)