全国裏探訪取材班は、前回まで広島市銀山町界隈の旧東遊郭を見てきた。今回は今なお残る遊郭建築「一楽旅館」まできた。さっそく見ていこうか。
「一楽旅館」
銀山町の一角にこのような小綺麗な妓楼が出現する。見てくれはかなり新しい。
一楽旅館が誕生したのは、戦後1950年(昭和25年)焼け野原から立ち直ろうとしていた頃だ。
玄関に入ると小綺麗な外観を裏切らず、清潔な玄関が現れる。ここまでは、一般的な民宿といったところか。
先ず、玄関を入ると竹で作られた丸い意匠。この辺から既に妓楼感が漂う。
玄関の真上はこのような竹のテクスチャ。本物なのか区別がつかないが、繊維と思しき目の間から何かが滲んでいたので天然なのかも。照明はぶっ潰れているのか、管球は無し。
そして館内の方を見ると、中が吹き抜けに。外観からは全く想像できない作りに驚く。これはすごい。
しかも、中庭には池があり鯉が泳いでいる。これは素晴らしい贅沢な演出だ。これはなかなか無いよな。
中に入りしばし足を進めると、築70年を経過しようとしているのだが所々かなり丁寧にリメイクされているのがわかる。大事にしているんだな。
まあ当然、リメイクなので元々あった床が下の層になってしまい、意匠の施された巾木の下部が埋もれているのがわかる。当時のものが見たい気もしたが、これは致し方ない。
中庭の様子。完全なる木造建築で、中央の池を囲む、この構造は素晴らしい。ちなみに、池には当然ながら柱は貫通しておらず、水中から海面に出た礎石の上に置かれている。
続いて上を見る。二階の廊下を見ることが出きる。これも現代ではあまり見ない光景。内側に施された金属製の欄干が素っ気ないものではなく、この建物然とした意匠がたまらない。しれっと“ハート”の形にも見えるし。
取材班はさらに廊下を歩く。上を見ると何か竹の造形が、、と思うと、これは照明か。これも最近では見ない、四方竹や四角竹と言われる“◽︎”の形をした、主に中国を原産とする竹だ。これを互いに切り抜き照明にしているわけだ。これも管球が入っていないのは悲しいが、、
玄関を入ると左側には階段がある。往時はここを何人の男女が通ったのか。今は旅館としての運用なのだが、そんな事を想像する人はもうほぼいないだろうな。
次回は内観の共用部だけではなく、部屋の中を見ていこうと思う。
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(2019)