全国裏探訪取材班は、「坂出人工土地」へやってきた。前回説明した通り人工土地と言うのは地上部分を別に利用し、そのう上部にコンクリート造の人工地盤を建設し上物の団地住居をそっくりそのまま持ち上げる。完全に地上部分から地盤を分離する。そんな夢の人工地盤構想だ。
「店舗B」部分
元町商店街部分から、坂出人工土地を見る。下層部分は店舗や住居になっており、上部は市営住宅になっている。
「店舗D」部分
店舗B部分も店舗D部分も1層部分3階までは一つの躯体で形成されるのだが、その上の団地部分は別の躯体となり、完全に分離されている。
坂出本街道沿い1層1階には店舗が並んでいるな。これは元の地権者だという。2層部分には市営団地がある。
真横から見るとこのようなイメージ。1層部分1階から3階までは店舗と住居か。
1層部分の壁面には「ピクトグラフ」が掲示されてるな。魚に靴、花、シャツ、酒、ナイフとフォーク。これは魚屋、靴屋、花屋、クリーニング店、酒屋、レストランを表してんのか。昭和の時代にあのようなタイル型に区切られたピクトグラフがあるのもお洒落だな。
「MOTOMACHI FASHION PLAZA」
この「坂出人工土地」の正式名は「坂出市営京町団地」。事業名は「清浜亀島住宅地区改良事業」と言う。構想は1962年(昭和37年)、完成は1968年(昭和43年)から各事業ごとに完成し1986年(昭和61年)にすべての事業が完成した。
“人工土地”である2層部分を東側より見る。人工地盤上の建物が人工土地の柱とつながっておらず、独立して地盤に乗っているだけなのが分かるはずだ。
ちなみに坂出人工土地東側北側には、古めかしい民家が並ぶ。
通常の地盤に建つ住居と、人工土地の上に建つ市営住宅。この坂出人工土地構想が発生したのも他でもない、戦後の駅前再開発事業が発端だった。そもそもこの人工土地の前身は木造家屋が150戸ほどあり、いわゆるバラックのような不良建築も100戸ほどあったという。それを解決するためこの人工土地が生まれた。
次回は1層部分の店舗部分、商店街の部分を見て行こうか。この人工土地は構造が複雑なのでレポートが長くなりそうだ。よろしくお付き合い願う。
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(2019)