全国裏探訪取材班は、「別府秘湯女性看護師強盗殺人事件」が発生した、別府三大秘湯「鍋山の湯」につながる林道を登っている。この事件は2010年(平成22年)9月4日、兵庫県在住の看護師が「九州へ温泉旅行へ行く」と言い残し趣味であったこの別府の秘湯、鍋山の湯に一人で夜間に訪問。何者かに殺害された痛ましい事件だ。
現在も厳戒態勢が続き、バリケードで覆われたゲートを通過して進む。ここからは命の補償はありませんよ。と言わんばかりだな。ちなみにこの付近の防犯カメラは当時から車上荒らしなどが多く設置されていたというが、犯行後ここの防犯カメラのケーブルを証拠隠滅のため切断されていた。計画的だな。
先ほどのゲートから数百メートル山へ登った場所が殺害現場周辺だ。ここから少し入った雑木林で首を絞められた他殺体で発見。上半身はノースリーブ、下半身は下着姿で発見されたという。頭には固いもので殴られ頭蓋骨が陥没、スカート、携帯電話、財布が持ち去られていた。強盗殺人だ。
近くの小川には温泉の成分だろうか。水質が変化している。
当初はいたずら目的として捜査されていたようだが、性的暴力を受けた形跡はなかったという。被害者の軽自動車のロックはかけられ、入浴用品も車室の中だった。ちなみに位置関係は
鍋山の湯ー遺体発見現場ー被害者の軽自動車ー警告ゲート
それぞれ百メートル以上離れており、自動車を降りた直後、被害者が加害者と1回目遭遇するも逃げられ、帰って来たところを先回りされ殺されたらしいな。
被害者は一人で秘湯を訪れ、犯行は夜行われた。人気がない場所だったので大分県警の捜査は難航。だが、一年以上が経ったとき捜査は進展した。2011年(平成23年)5月、神奈川県で傷害事件を起こした元暴力団関係者、安藤健治容疑者が捜査線上に浮上。安藤容疑者は神奈川県でとび職をしていたようだが、定期的に大分へ帰省。その時犯行に及んだ事がDNA鑑定で明らかになった。その後安藤被告の無期懲役が確定。安藤被告は北九州市に本拠地を置く指定暴力団工藤会系の組員。堅気相手の殺人も頷けるな。
「鍋山温泉郷 平成六年四月吉日」
この場所は鍋山温泉郷として民間企業が温泉郷として整備されようとしたがで、それは頓挫して今は放置プレイ。秘湯マニアにひっそりと温泉を提供している。もちろん夜は真っ暗なので、夜女1人で来る場所ではないし、男でも躊躇するな。事前に不審者の情報なども出ていたので、当然加害者が悪いが、被害者も無防備すぎるな。
鍋山は温泉の自噴によって硫黄成分が噴出。斜面がはげ山になっている。そういった雰囲気と、事実殺人事件があった場所も相まって不気味さが増幅する。
所々落石もある。
取材班も茶化すつもりは全くない。くれぐれも“裏探訪”はお誘いあわせの上、気を付けて楽しんでほしい。被害者のご冥福をお祈りする。
次回はそんな現場を通過し、秘湯に入ろうとしようか。
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(2018)