全国裏探訪取材班は、和歌山県の第二都市、紀南の代表都市田辺市へとやって来た。ここには「田辺新地」という花街があった。今回はノスタルジックに浸るべく街をはいかいしていきましょう。
「割烹 あしべ」
前回登場していただいた老婆の指さした方にやってきた。ここには大きな割烹があった。さてさて、屋号はあしべというらしい。
「あしべ」
門柱にもデカデカと両側にあしべとかかれている。国語的にあしべ=葦辺といえば葺が生えている水のほとりという意味があるらしい。まぁ確かにここは地理的には、田辺湾に面するほとりと言えばほとりだ。
門柱の奥には丸窓がいきなりお出まし。これはなかなかパンチあるなぁ。しかも丸窓の中には雲の意匠のようなものもある。満月に雲みたいなイメージなのか。しかも、夜になったら奥から光が当たるので余計に満月の夜みたいに見えるんでしょうか。
ちょうどお昼時もあったので、ここで料理でもいただこうかとお思ったのだが店はやっていないようだ。もしかして予約必須なのか。団体の宴会とか法事だけ?
玄関の右上には何かシールがあるぞ。どれどれ?
「和歌山県公安委員会 風俗営業 第■号営業」
ここは料理店というか料亭としての扱いなら第1号営業なのだろうか。まぁ今時ピンサ口でも性風俗営業を取得せずに風俗営業だけで運営してる店も多いんで、こんなシール何の意味もない気もしますけどねw
にしても、あしべはなかなか風格ある建物だな。まぁ重文とか歴史建造物まではいきませんけど十分迫力はある。老婆の話によるとこのあしべこそが南方熊楠の常連だった店らしい。狭いけど中庭もありそうだしなかなか情緒がある。
で、肝心の中は覗くとこんな感じだった。今度潜入する機会があればぜひ中へ入ってみたいな。ちなみに肝心の南方熊楠だが、彼自身は酒豪でありここで芸者を呼び馬鹿騒ぎするのが多かったのだとか、しかも呑むと酒癖が悪く裸になることが多かったらしく、度を越え警察沙汰になることもあったのだとか。
「新地たまき モータープール」
そんなエピソードも聞いていたので、往時の様子を想像できたようでちょっとこの南方熊楠に親近感が湧くな。天才もバカも紙一重だと。
「割烹 ゑびす」
で、ビジホの大将によればこの割烹ゑびすというのもなかなかの良店なのだという。夜にでも空いていたら行ってみないとな。時期が時期ならクエもうまいらしい。
ここまでくれば田辺新地の北西側か。路地も不自然に斜めに曲がっているので、この辺までが縄張りと見ていい。
この先には暗渠化された小川もあるようだ。写真右下にも少し写っているが、そこには橋の親柱もあたので恐らくそれが思案橋の役割だろう。
次回は「田辺新地」の南側も見ていきましょうかね。
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(2021)