全国裏探訪取材班は、長崎にある日本三大遊廓の「丸山遊郭」へとやってきた。ここは現在でも料亭史跡花月だったり、検番だったりなかなか風流な元遊郭跡地でもある。さて今回もどんなスポットなのかを見ていきましょうかね。
「花月」
この花月は江戸時代から幕末、文明開化、明治、大正と続いてきたんですけど、往時から長崎には日本唯一の国際窓口出島がる国際都市だったので、国際人や文化人の社交場だったようだ。
大人の社交場だったので、当然大きな庭園もあり、花月の庭園は長崎三大庭園の一つを擁している。庭園面積は約800坪で元禄時代に造られた。
しかも、丸山はその名の通り高低差がある土地になっており、その高低差を生かし各部屋から必ず庭園が見られるようになっている。かなり凝った造りのようだ。1930年(昭和5年)発刊の全国遊郭案内の長崎市丸山遊廓の欄にはこの記述もある。「(略)附近の人々は「山」と呼んで居る。ゆるい傾斜地に、大小の妓樓がずらりと二十二軒を並べて、料理店、藝妓置屋、等の紅燈、青燈が點在して居る中から、絃歌や、艶めかしいさんざめきが流れて来る邊りは、眞に日本の花街らしい氣分がする。(略)」
花月内部は洋風なタイル貼りの床に和風の天井が施された春雨の間や、坂本龍馬の刀傷が床柱に残る竜の間など歴史的な空間がある。
「坂本龍馬之像」
売春防止法施行後の1960年(昭和35年)には長崎県の史跡に指定。料亭が史跡なんて全国的にもかなり珍しいな。
さて、花月を離れ東側へ歩いていこうか。東側を望むと坂になっており全国遊郭案内にもある傾斜地を感じることができる。何十年も何百年も時間がたってもなかなか地形は変わらないもんな。改めて“丸山”という由来を感じることができる。しかも芸者さんも歩いているし。
で、こちらの写真。当時の絵葉書なのだが、その絵葉書に芸者と思しき女が歩いているのが見て取れる。実は上の写真も下のこの絵葉書も同じところで撮られたものと思われる。現代は自動車だが当時は人力車だったりしますけど今も昔も変わらないのはある意味すごい。
「旅館 公楽荘」
周辺にはこのような煤けた旅館なんかもあるようだ。まぁ言わずもがな転業旅館の連れ込み旅館の類なんでしょうかね。
「質&買取 中島」
転業旅館に続き、さらに元遊郭あるあるなんですけど質屋もありますね。そういや全国遊郭案内にも「(略)井原西鶴は「長崎に丸山と云う處なくば、上方の金銀無事に歸宅すべし、海上の氣遣いの他、いつ時を知らぬ戀風恐ろし」と云つて居る様に、長崎へ行つた人で、恐らく此の丸山へ足を踏み入れて来ぬ人は無いだらう。もしあつたとするならば、其の人は女か子供位なものだらう。其れ程有名であり、又其れ程一種獨特の氣分の漂つて居る處なのだ。」とある。それほど男を狂わせるところのようだ。そりゃ質屋も必要ですわ。
さて次回も「丸山遊廓」界隈を見ていきましょうかね。次回もよければどうぞ。
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(2020)