【海の男】遠洋漁業の町「焼津」かつての赤線「弁天地区」を歩く。【陸の女】(4)

全国裏探訪取材班は、静岡は焼津の赤線「中港5丁目」に来ている。そこは明らかに一般の住宅街とは違った男の町が広がっていたのだった。取材班は津波避難棟から町を見下ろし、明らかに怪し建物を見つけたので早速現地の探索を継続した。

これは旅館か何かか。屋根の造りや内装の部屋の配置など明らかに民家ではない。

明らかに“夜の町”の残骸だな、こりゃ。下に降りて見に行こう。

避難棟から下に降りる途中なにやら、ゴミが公道まで散乱している住居があるな。

今となっては老人男のやもめ暮らしなのか。この状態でこの家の主はこの世から居なくなったのか。それは分からない。

そんなこんな想像をしていると、左の元店舗と思しき店の出入り口には公明党のポスターが。そう、お察しの通りそんな場所なわけです。

「焼津市 中港五丁目 6」

「松㐂寮」

恐らく遠洋漁業の寮だろう。こんな所を見てもやはり男所帯だったのが分かる。

寮の隣には元旅館のようないで立ちで、後期はこちらも寮だったのか。ポストが設置されていたり。玄関に加飾されている石の模様が往時を思わせる。

 

正面ではなく側面を見ると思いのほかズタボロ感が・・

今にも屋根から崩落しそうな建物もある。焼津の赤線のトップバッターともいえるこの物件なのだが。

既に上部から崩れかかってんぞ。後からブルーシートで腐らないようにしてるけど、それももう空しく剥がれ放置プレイ。時間の問題だなこりゃ。

 

赤線から発祥した焼津中港だが、この物件は完全に遊郭の妓楼を思わせる造りになってんな。シ、シブい。

 

屋号は「銀水楼」と書かれている。細部を見ていこう。

入口上には銀水楼と書かれさらに家紋まで・・更にその手前には木がねじれたような飾り木が。このネジリは何を意味しているのか・・

表の軒柱にはツートンカラーでタイルにて加飾。さらに玄関横にはガラスタイル、そして重厚感を出すべく岩を配置。もうこれで赤線物件の完成ですな。柱の上部には灯りでもあったのかもしれんが、既に剥がれ落ちているよう。

それにしてもこの建物、躯体の木造部分がだいぶやばくなっており、2階左の窓を見てみると青空が見えているのが分かる。もうすでに住める状態ではないし、腐りはて崩壊するのを待っている。日本一の遠洋漁業で栄華を極めた割にはあっけない最期を迎えようとしているのは確かだ。

次回焼津編は最後。最後までお楽しみください。

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(2019)